じゅんP

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のじゅんPのレビュー・感想・評価

3.8
俯瞰で捉えられる大局としての戦況と、電話やメディアを通じて伝えられる情報。
「戦争」はある意味で限定的に描かれていて、芯としてあるのは政治、あるいは国の意思、ひいては国民の意思なのかなと感じました。

かつては迷って出てきただけだった地下鉄まで目線を下ろしたチャーチルが、一市民と双方向に同じ目線で未来を語り、それがレイトンの感情とも国王の決意ともシームレスに直結する。
チャーチルはその意思を一手に受け、代弁し、全うするための可能性を追求する。
帰属する意思と、自由や尊厳を勝ち取る意思が、縦も横もなくイコールでつながってました、強い。

世界史に疎い自分にも引っかかりなく理解させてくれる親切設計と、ウィットに富んだ会話。
題材の印象と比べて間口が広く、さらっと観られる良作でした。

(要所要所の会話シーンで空間内の奥行きが意識的に強調されている気がしたんですが気のせいかな。なにか意図があったとして汲み取りきれなかったけど。)
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