観終わると「狐狼の血」というタイトルのセンスのよさに気づく。狐狼だがしかし確実に血脈は続く。
白石監督はムラがある人というイメージなので不安だったけれど、今作は大当たり。夏の広島、ヤクザの抗争、警察の思惑、滲む人情、というロマン爆発。
文字通り出血大サービスで、気持ちの良いヤクザっぷり。痛い描写、汚い描写が思い切っていて、ポップコーンを買ったことは冒頭数秒で後悔した。豚糞放出と真珠入りアレと土左衛門を作った美術さんを褒めたい。
松坂桃李はいい役者だと思うけど、今作のように、オンオフの差があったり、行動や意識が変わっていく役だと、役柄に一貫した説得力を持たせるのは難しいのかもしれないなと思った。役所広司を前にするとなお。しかしながら続編も楽しみなところ。
顔が立つ俳優がこれだけ揃う中での中村倫也の光り方は良かった。ファンになっちゃう。
