ヤクザ映画は北野武監督の作品を主に観てきましたが、本作品も非常に面白かったです。
「日本で一番悪い奴ら」のレビューにも書きましたが、安寧秩序を守るために警察（特に公安警察）は時には法を破らなければなりません。これは決して公には発表しませんが、どこの国でも（当然日本でも）行っている事だと思われます。
本作品の役所広司演じる刑事（大上）も当然のように法を破って捜査を行います。目的は上記の通り安寧秩序を守るため（ヤクザ勢力を大きくさせないため）です。
しかし、新しく配属された松坂桃李演じる刑事（日岡）は、どうしても大上の行動を理解できず、私利私欲のためと映ります。
ただ、この誤解も大上がヤクザに殺された後に解かれ、今度は日岡自身が大上のように行動していきます。
１つ印象的なシーンがありました。法を破って捜査をする大上を非難する日岡に向かって「じゃあお前の言う正義って何なんだよ！」このセリフに日岡は言葉が詰まります。
大上には明確な正義があります。即ちヤクザ勢力を大きくせず、市民の安寧秩序を守るという正義です。
この映画の大上のように法を破る目的が安寧秩序と明確に意識してる人間はともかく、概して人間は私利私欲に陥るので気を付けなければなりません。
ところで、役所広司さんのヤクザ張りの刑事役を初めて見たので、とても新鮮でした。
