福福吉吉

消された女の福福吉吉のレビュー・感想・評価

消された女(2016年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
報道番組のプロデューサーのナ・ナムス(イ・サンユン)はやらせ疑惑により失脚する。そんな中、彼あてに1冊の手帳が届く。そこにはカン・スア(カン・イェウォン)という女性が突如、精神病院に収監されて地獄のような目に遭う経緯が記載されていた。ナムスはスアに会おうとするが、彼女は警察署長の継父を殺害した罪で収監されていた。

◆感想◆
精神病院の恐ろしい実態とそこで起こった事件をスクープして返り咲こうとするプロデューサーの野心を描いた作品であり、精神病院での悪辣な出来事がとても惨たらしく描かれていて、その悪魔のような所業に恐怖を覚えました。

ナ・ナムスは上昇志向が強く、自身のプラスになるもの以外に興味を示さない自己陶酔の気質の強い人物として描かれており、一度失墜した人気を取り戻すべく、精神病院の事件を追います。感情移入は出来ないですが、彼が強引に取材を進めていく姿は面白かったです。

一方、カン・スアは白昼堂々、拉致されて精神病院に収監される被害者として描かれていて、彼女の味わった地獄のような日々は酷すぎて吐き気を覚えました。しかし、彼女の背景が前半では描かれないため、どこまで信用していいのか分かりませんでした。

ストーリーが進むにつれて、精神病院の実態やカン・スアの周囲の人間関係が明らかになっていくとともに、ナムスの追及が苛烈になっていきます。醜い人間関係の描き方は韓国作品ならではの残酷でインパクトの強いものになっていて、面白かったです。

しかし、ラストについては少し強引過ぎる気がしました。ストーリーを捻るにしてもそれを裏付ける背景が描かれておらず、納得しがたいものがありました。ストーリーに中にもう少し伏線を張っていて欲しい気がしました。

普通に面白かったと思います。

鑑賞日:2024年1月10日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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