ペジオ

ジャコメッティ 最後の肖像のペジオのレビュー・感想・評価

3.5
「もう一回描かせて」「もうええわ」

「この状況から抜け出せない」という意味で、「皆殺しの天使」に代表される様な「不条理」系の映画みたいな(ジャコメッティは元々シュルレアリスムの彫刻家とみなされていたらしいですね。)
描いては消し、描いては消しの「ループ」を繰り返す「空間の支配者」たるジャコメッティと、彼に振り回されるジェイムズの関係が可笑しい(全体的に台詞が良い。)
最後にキチンとした「オチ」がつく辺り、やっぱりこれは「コメディ」なのだな

例えば漫才なんかはオチをつけることで「完成」するが、オチが全てという訳でもない
やっぱり掴みがあって、展開があって…最初から最後まで全てが一つの「作品」である
作品の完成に至るまでの苦悩、迷い、絶望…芸術においてこれらも作品の一部なのかもしれんね
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