ジャコメッティ 最後の肖像の作品情報・感想・評価

「ジャコメッティ 最後の肖像」に投稿された感想・評価

ジャコメッティ展の解説にあった、モデルをデッサンするのにとにかく時間をかけるので、大概、弟や妻など家族しかガマン出来なかった、という部分にズームして映画化しているので興味しんしんだった!

皮肉の効いた目で芸術家のわがままとも頑固とも個性的とも言える創作活動を捉えており
クスリ、と笑える場面が多し

フランス・ギャル「Jazz a gogo」がドライブ場面で流れるのが好き
1964という時代をうつす

モデルとなったアメリカの美術評論家役のアーミー・ハマーの整った顔を真正面から、アップで存分に捉えたトゥッチ監督の変態ぶり←褒めてる
ジャコメッティ 最後の肖像
来年1/5公開ですが 一足早くレビュー。
スイス出身の芸術家 アルベルト・ジャコメッティを描いた実話ベースの物語。

1964年 パリ
個展を開いたばかりのジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)は、友人で作家のアメリカ人 ジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)に肖像画のモデルを依頼する。
2日あれば終わるという言葉を信じ喜んで引き受けるジェイムズであったが、作品の出来に満足できず期間を延々と引き延ばしていくジャコメッティ。
はじめは快く応じ帰国の便を遅らせるも、来る日も来る日も完成を迎えない肖像画制作にジェイムズは不安と苛立ちを募らせていく。
ジャコメッティが最後に手掛けたとされる肖像画制作の過程を通し、他者の人となりに触れることの意味を描いた作品だ。

あなたはアルベルト・ジャコメッティを知っているだろうか
知っているあなたは絵画等の芸術作品に興味がある人のはず
知らないあなたはぼくと一緒
ぼくはその辺りの知識が全くない
というか、そもそもあまり興味が無いのだと思う
著名な芸術家の名前や作品名を耳にしたことがあっても、何を描いた人なのか 誰が描いた作品なのかまでは分からない
美術館へ行っても何をどう観たらいいのか分からず、何となく観たつもりになって帰ってくるだけ。

しかし、最近ある打開策を確立した
所謂伝記映画と呼ばれる類いの作品に触れることで、絵画などに興味を抱けるということに気が付いた
映画という作り物の世界ではあるけれど、偉人と呼ばれる人物だって同じ人
彼らの人となりや人生の断片に触れることで、どのような作品をこの世に生み出したのか強く興味をそそられる
それは日常においての人間関係と何ら変わらない

誰かを好きになったり嫌いになる時
それは良くも悪くも相手の人となりに触れた時だと思う
どうでもいいと思える存在
それはまともに関わったことがない人のこと
絵画に疎い自分を擁護するようだが、作者のバックボーンを知らずにいるから興味を持てないだけ
今作で描かれていたことも、その在り方と酷似していたように思う。

人を知るということ
それは相手の良いところにも悪いところにも触れるということ
そこまでして初めて知ったと言えるのだと思う
人の心は気まぐれだから
良いところばかり見過ぎていると、ちょこっと悪い面が出た途端冷めてしまう
悪いところばかり見過ぎていると、ちょこっと良い面が出た途端見直してしまう
ジャコメッティはその辺りの匙加減が上手かった

ジェイムズの肖像画を描くため、あらゆる面を引き出そうと揺さぶりをかけていたのかは分からない
計算してなのか天然でやっていたのかも分からない
ただ、初日にジェイムズを見て言い放った「犯罪者のようだ」という言葉がキーであったと思う
その面をより強く感じ取るため、ジェイムズの中にある鬱屈とした部分をあらゆる手段で引き出そうとしていた
良き作品を生み出すための嗅覚が、自覚せずともそう行動させていたのかもしれない。

創作意欲が溢れ出てくる者もいれば、自らに負荷をかけねば生み出せない者もいる
ジャコメッティは間違いなく後者
ありとあらゆる負荷を自らに強いていた
それで傷付く人が 自身を憎む人がいようとも、それすら作品作りのための糧としていた
ぼくらは語り継がれる偉人達をつい「天才」の一言で片付け雲の上の存在へ追いやってしまうけど、「天才」と呼ばれる者には「天才」と呼ばれるだけの所以が 想像を絶する努力が必ずある
その瞬間を 葛藤する姿を垣間見ることができた
ジェイムズもまた、そんなジャコメッティの在り方を感じ取っていた

人生に正解はない
こと芸術においては何を以ってゴールとするのかが難しい
売れること 世間に認められること
たった一人の大切な人を感動させること
定義は人によって様々
ジャコメッティもまた、揺らぎながら 迷いながら模索し続けていた
あなたやぼくと同じ人間そのものであった。

アッと驚くような急展開は一切無い
だけど、些細な会話の裏に感じ取れる想いや駆け引き
本当は当たり前なのに、ついつい疎かにしてしまいがちな人間関係を見事に描いていた
ジャコメッティの作品が如何にして作られるのではなく、彼がどんな人間であったのかをしっかり感じさせてくれる
そんな彼が実際にどんな作品を生み出したのか、今は知りたくてたまらない
彼の人となりに触れることで、間違いなく彼の作品に触れてみたいと思えるはず
ぼくがそうであったように、あなたにとってもキッカケになる作品だと思います。

劇中において「スパイみたいだ」と言われるジェイムズことアーミー・ハマー
「コードネーム U.N.C.L.E.」でスパイを演じていた彼を知る人なら笑えてしまうシーンが個人的にはツボでした!

ぜひ劇場でご覧ください。

青春★★★
恋 ★
エロ★
サスペンス★★★
ファンタジー★★
総合評価:B
映画祭にて。
クセのある有名画家にポートレイトを描いてほしいと若い小説家が訪ねてくる。そこからひたすら十数日、描いてはやめての繰り返し😅この小説家、よくこのおじさんに耐えたな、と思ったわ…。
最初のうちは面白く見てたんだけど、進むにつれ「これ、もしかしてずっと繰り返すのでは」と不安になったがやや的中。一応、変化は起こるのだけど、結局フィニッシュしたの?という感じでした…。
これはアーミーハマーがキレイに撮られてる以外私は退屈でしたわ😰