エアール

ファースト・マンのエアールのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.8
デイミアン・チャゼル監督 × ゴズリング再び!!

セッション、ラ・ラ・ランド、と
近年で印象に残る作品を作り続けているチャゼル監督。
大好きなジャズを一旦切り離し
この度の新作では、
ゴズリングと再タッグを組んで
人類初の有人月面着陸に臨んだ飛行士たちとその舞台裏を
臨場感たっぷりに描いております。
ああでもこうでもと諸説のある”アポロ11号”ですね、笑

時には耳を覆いたくなるような轟音を、
かと思えば宇宙空間では自身の心拍音が際立つぐらいの静寂を、
音のバランス加減が絶妙で
迫力ある映像との相乗効果で生まれる緊張感、そこへ人間ドラマが加わり
濃厚な約150分となっております。
製作にはスピルバーグも加わっていたようで!!
気鋭の監督と大御所の組み合わせも
またよろしいですね、笑

本作は
歴史に名を刻んだニール・アームストロング船長の視点を軸に
ストーリーが展開されていて
その彼をゴズリングが演じております。

ラ・ラ・ランドでは
ジャズピアニストってことで
ピアノの猛特訓をして役に臨んだそうですが、
今回実在した宇宙飛行士役を演じるにあたり
やはり訓練センターなどにお邪魔して
トレーニングを積んでから
撮影に臨んだそうです。
多軸機能とか無重力作用とか
あの辺りなんでしょう、きっと。


最愛の娘を腫瘍で
幼くして亡くし
言いようのない悲しみに暮れる中、
新しいスタートを切るためにも
今いる民間を抜けて
NASAの宇宙計画に参加するパイロット選考に応募するニール。

面接官たちとのやり取りから
適正とこれまでの実施飛行の記録、技量を高く買われ見事合格に、
家族でヒューストンへと越してくる。

ソ連相手の宇宙計画競争に勝つため
人類初の月面着陸を目指し
計画とテストを推進していく米。
待ったなしの状況下で着々と事は進んでいくのだがその都度問題も発生し、
その過程でひとりの飛行士として、夫として、父として、
次々とニールに試練が舞い込んできて…


身体への負担、追い込まれる精神、
テストやミッションで次々と命を落とす同僚たち、
政府の干渉、
巨額の税金を投じたプロジェクトに
一般市民からは抗議が
ーー他にもっと、我々市民の生活に直接関わるような有効な使う道があるはずだろうと、
妻、それからこどもたち、家族のこと、…


職業的にも
かなり専門的で、高度な知識が必要とされ
ほか適正や身体的にも制限が多いとされる宇宙飛行士。
任務に取り組む姿勢や誇り、
宇宙に対する情熱が
ひしひしと伝わってくる一方で
家族との関係性という
普段我々の身近にある部分にも
ひとつフォーカスを当てているので
気付かされることもあったりするかもです。

そういう意味では
その神秘性や宇宙という壮大なテーマに冒険心が燻られる部分と
ドラマの部分と両方が味わえる作品になってるかと思います。


次回作はまたジャズに戻るのだろうか、笑
ちなみに
作品中でヒューストンに越してきてから
ニールと家族ぐるみで親交をもつようになるエドとパトリシア夫妻を演じた、
ジェイソン・クラークとオリビア・ハミルトン。
こちらの女優 オリビアはチャゼル監督の奥様らしいですね。
ラ・ラ・ランドにも出演していたようで。
今後彼の作品に出続けることになるか
そこらも注目していこうかと、笑
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