【なんとOMG!な結末か】
Netflixにて。2017年に配信公開された、仰天実話の映画化。
アメリカって元々、狂信的キリスト教徒が多い国だった一方、憲法はそれなりに遵守してきた、という個人的な印象がある。
学校の授業で神に祈ることは、憲法修正第1条に反し違憲、となった話はどこかで聞いていたが、その判決を引き出したこの、マデリン・マーレイ・オヘアというオバチャンのことは知らなかった。この事件は快挙だったですね。
でも人物としては、この映画通りだとしたら、ムチャクチャだったみたいだ。
「神は、います(おぼちゃん風)」という妄信は、道理で論破できるのに、マデリンおばちゃんは罵倒も効かせた“口撃”に燃えちゃう。どっかのサイトの誰かさんみたいだが(笑)、余計な敵をつくってしまう無防備さは性分みたいだ。人より畜生に近い面があったのだろうか。
特異過ぎて、離れて見れば愉快な人物だが、偉業を成してはいても、共感はまったくできない。
映画は殺伐とした仕上がりだが、人物から醸されるものに、素直に従ったらこうなっちゃったとか?後味はまったく違うが、人物の面白さに集中した映画として『ハンナ・アーレント』が近いな、と個人的には思った。
神を妄信すると、神に敵対する人間は殺してもよくなる。何故なら人間は神が創ったモノでしかないから。
…てことを顕す事例が本作にも出てくるけれど、実際、オヘア一家の末路を知って大歓喜し、神に感謝した狂信者は大勢いたのだろうね。なんとOMG!な世界だろうか。
全体、映画としては噛み応えなく、まったく心が揺さぶられなかったが、こういう史実があり、人物が居たことを知れたのは大収穫でした。
<2020.6.2記>