このレビューはネタバレを含みます
『私の”人生という物語”の主人公はもちろん私だ』
『恋とは往々にして勘違いからはじまる産物である』
2025.3 -soramameton
そこはかとなく漂うサブカル臭。セリフのチョイスが絶妙。いうなれば女版”モテキ”ってかんじ。
こじらせ女の良香のこじらせ具合が痛々しい。
思い出補正のかかったわずかなイチとの記憶をすりきれるほど脳内再生して生きる原動力に変えている姿は痛々しいといいたいところだが、正直わかる。イチの人間形成に自分の言動がすこしでも影響していると信じたいキモチも痛いほどわかる。
が、イチにとっては些末なことで良香もその他のモブでしかないのもまたわかるような気がする。イチにとっては中学時代は暗黒期だったようだ。でもなんとなくほっとけないヤツってクラスに一人はいる。しかし当人にとってはちやほやされているのも悪意に感じられるのかもしれない。イチは常に天然王子でしかなかった。わたしは正直わからない。ほっとかれてた側だから…。
二の第一印象はとても悪い。自慢話とか鳥肌ものだし、距離の詰め方が受けつけられない。たまらなくうざい。しかも絶妙なズレ感。雨ざらしの子犬感。これが徐々にかわいく見えていくのだから不思議でしかない。
現実と妄想の境界がわかりづらく、岡里奈とのやりとりが妄想なのかリアルなのか判別できなかった。
演技力のある俳優だとは思ってたが松岡茉優にコミュ障役がこうもはまるとは思ってなかった。
最後も印象的なエンディングだった。
序盤はありふれたラブコメでしかなかった。途中から苦しく痛くなってきた。良香の物語でありながら、わたしの物語とも気づくと若干リンクしていた。
『キミ』と言ってくる相手に意地悪な質問はしないほうがいい。夢から覚めて現実はその他大勢のモブ役だったと認識することになるだけだから。