アトエモン

勝手にふるえてろのアトエモンのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.5
公開は17年の年末でしたが、暇がなく年明けにようやく観られた作品。
これ好きだ〜大好きだ〜!!な映画でした。

ヨシカの叫びが拳となって、心の奥の奥を全力で殴ってくる。でも殴ってる方がボロボロで痛々しくて…それがどうしようもなく魅力的。自分を守るために自分を隠し抑圧し生きる、全ての人の物語だった。
もっと若い時にこの作品に出会いたかった。あのスクリーンの中に、確かに僕らはいた。

しかし大女優松岡茉優さん、一体何者なのだろう。劇中の多くを占める自分語りや、可愛らしさの欠片もない私生活の様子から出る絶妙なリアリティ。観てて寒くならない。果てにあんな歌唱表現力まで持ってらっしゃるなんて恐ろしい。もっとたくさんの舞台で暴れまわってほしい。

最後に。人物を映さずにあれ程までに官能的なシーンを作り出した大九監督のセンスに脱帽です。あのシーンは感動した。