あきら

勝手にふるえてろのあきらのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.3
鑑賞中、ふははははさいこう!!!!!と思う解脱できた自分と、アイタタタタタタもう勘弁してくれ…と思う渦中の自分が交互にやってくる、じつに心忙しい映画でした。

「処女をかわいいと思う男なんかだいっきらい」に爆笑して、「私の名前をちゃんと呼んで」に抉られる。
こじらせ乙女は私の中にもちゃんと息づいていました。ああ厄介。

だってさ、自分の本当をちゃんと見て欲しいとか思いながら、誰のこともちゃんと見ていないのだものしょうがないじゃんよ。
原作未読だけど、至極めんどくさい女。
松岡茉優だから、綿矢りさだから成り立ってるけど、リアルに身近にいたらたぶん嫌いだわ。蹴りたくなるわ。

二の無神経さとかね、私個人としては嫌いですが、たしかにああいうタイプって世の中にも必要なんだよな〜
一の方が手強くて、でも惹かれるのもちょっとだけわかる。これはこれで嫌いだけど。

まぁでも拗らせって完治するものでもなくて、折り合いをつけて上手く擬態してゆくのが、所謂大人になるってことなんだろうと思ってます。
自分を特別だと思うことこそ凡庸の証。ってな。

映画って基本娯楽でファンタジーと割り切りたいのだけど、やけに自分を振り返らせてくれるなかなかに得難い作品でした。

それにしても松岡茉優天才か!知ってた!
あきら

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