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勝手にふるえてろのcのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.5
意外とこなかった、というのが正直な感想。予告見たり、あらすじ読んだりする段階で、「これは絶対に自分みたいな人間のことだな」と思う映画ってあって、これはその類だと思っていた。しかし意外と違い、意外とこなかった。なぜか。それは私は彼女よりも自意識が強い、悪い意味で信じられないくらい強いからである。だから、キャラを得られている(意図せず)は羨ましい。自分とは違ったけれども、そうだからこそ普通に愛せる主人公だった。
それは、広告でうたれているような文言の「愛すべき」っていう意味とはちょっと違う。

だから基本的にあまり震えることはなかったのだけれども、あのタワマンのベランダでのイチとの会話シーンはほんと、良かった。

自分が覚えていることって、自分しか覚えていないんじゃないか、って思う。だから何かを言ってしまったとき、急に恥ずかしくなる。それに対して、返される言葉。ここで言う「覚えているよ」。すごい。半端ない。泣く。そこだけ信じられないくらい震えた。
自意識と他者(世界)との境界が消えるというより、そもそも無かったんじゃん、っていう。恋愛とか、痛い女の子、とかそういうことだけじゃない映画だった。

でももっともっと自分に近しいタイプを痛々しく見せられると思っていて、その覚悟を十分持っていたために、冒頭の意外とこなかった、というとこに着地。
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