おばけ

コロンバスのおばけのレビュー・感想・評価

コロンバス(2017年製作の映画)
-
ストーリーの序盤ですぐに【興味】というキーワードが出てくるので非常に伝えたいメッセージが分かりやすい脚本だった。

日常にある、ありふれた風景、建物、使い古された家具に、斬新な構図の画面を用い、新たな視点を加え、それまで何も感じていなかった【興味(関心)】を与える。そしてそこに新たな意味をもたせる。

そしてそれは、身近すぎる存在である家族についても適応されていく。
ジンは父親が自分に対して無関心であると思い、心を閉し、興味を自ら捨てたがコロンバスで父親に対し、向き合おうとした。
ケイシーは1番の関心の対象である母親のため、自分の夢を諦めようとしていたが、ありふれた日常に出会いという新たな視点が加わり、自分の人生を生きることを決意する。

劇中では終始、どこを切り取っても素晴らしい構図ばかりで淡々と静かにあるがままを写す。
鏡の使い方も絶妙で良かった。
音楽も最小限なのでダンスシーンが際立つ。
小津安二郎が大好きなのもあり、私はとても素晴らしい映画だと思った。
おばけ

おばけ