おばけ

桜桃の味のおばけのネタバレレビュー・内容・結末

桜桃の味(1997年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

閉鎖的で自然に触れる機会もない現代社会で希死念慮に苛まれる自分にとって正直、おじいさんの、世界を幸福な目で見ることだ、自然の美しい風景がもう一度見たいと思わないのかという言葉が響くかと言ったら正直難しいなと思った。

しかし、実際に行動に移そうとした時、それが屋外でもし、桑の木で桑の実が美味しくて、その時見た朝日が美しかったのであれば確かに世界からの祝福と神の救済を感じ、世界を幸福な目で見るということを知るだろう。幸運であったと思う。

結局、人を救うのはふとした世界や人の優しさや美しさに気づけた瞬間なのだと思う。

そのことを私は体感することは難しくとも、この映画を観ることによって少し、知ることができた。だから、一度、また死にたいと思った時には窓を開けて、空を見る、雲の動き、太陽の光の指す方向、空気の匂い、鳥、月、自然を感じる。私はその一部なのだと。すごく難しいことだけれど。同じように、身近な人が自分のように悩んでいたら手を取って外に連れ出し、素晴らしい景色の中、言葉はなくとも一緒にいて、世界からの祝福を教えてあげられる、そんな人になりたいと思った。
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