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五人の斥候兵のtheocatsのレビュー・感想・評価

五人の斥候兵(1938年製作の映画)
1.0
ネタバレ
今となっては醜悪な日中戦争国威発揚映画

視聴後に調べ1938年の作品とのこと。日米開戦前の日中戦争当時であればまだ日本優勢でもあったのだろう。

事情がよく呑み込めない前半は兎に角集中を切らさないようにしていたが、音が悪すぎてセリフがよく聞き取れない。それでも後方ではなく前線部隊というのは分かる。
傷病兵を後方に引き取るシステムも機能していた様子が伺えるが、この時点で日本万歳の国威発揚映画ではないかという疑念が生じる。

今度は最前線へ斥候兵5名向かわせる話に切り替わるが、斥候中敵部隊に襲撃され隊員がバラバラ。どうにか各自味方部隊に帰還するが、一人だけ帰ってこない。
全員が彼は死亡したと諦めた夜中に命からがら帰還。喜ぶみんな。

そして、彼ら斥候兵の報告を元に総攻撃作戦実行となるが、「アジアの平和は必ず実現する!!」などという仰々しい部隊長の演説を聞くに及び、ようやく正真正銘の国威発揚映画と認識する。

斥候兵は敵兵を数名殺害したようだが斥候兵自体は命からがらでも全員生還。
「怪我をしてもちゃんと面倒は見ますから安心して、日本の為、アジアの平和の為に命を捧げなさい」という今となってはグロテスクとしか言いようがない醜悪な映画。
当時の制作関係者には一定の敬意は払うが、ポジティブな意味でこの映画を認めることは不可能。


総評一つ星

012008
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