ハッピーカート

五人の斥候兵のハッピーカートのレビュー・感想・評価

五人の斥候兵(1938年製作の映画)
3.0
黒沢明監督が、何事も本物が一番凄い。と言ってたが、まさしくこの映画の日本軍人は、本物だろう。つまらないハリウッドのCG戦争映画より見応えある! 85年前の映画!

満州事変から7年。日中戦争が始まって翌年に日中戦争を描いた映画。。軍服、三八歩兵銃、銃剣や、報告の前に捧げ銃。敬礼や姿勢も徴兵で訓練されてるからきまってる。
しかし、銃剣の扱いが危なっかしい!
まだ戦争泥沼の前で、多くの国民に実戦経験が少ない時代だから仕方ない。

移動撮影はホント凄い! 
水路での主観の移動撮影はキューブリックに影響を与えただけある!
戦闘シーンも迫力ある!
何より銃の撃ち方が形になってる。


ストーリーは特に無いし、セリフも聞き取れないから、
雰囲気とカメラワークとリアル感を見る映画。。 

日本が戦争の泥沼に入る前で、悪名高き映画法できる前年だから、
軍人がやけに勇ましい神風的な事もなく、
人として弱みを見せる余裕がある時代の映画やね。。女々しい顔を小隊長が見せるのは、人情味があった!
そういう意味でもリアルな1938年の日本や軍人の価値観を感じられる映画やった!
貴重な名作の一本や!



しかし、君が代を歌って、戦友を大切にして、皇国と言ってれば良い軍人と思われる脳ミソの回路は、日本の戦争は勝つためでなく、戦争ごっこしたかったのが良くわかる!