まさなつ

五人の斥候兵のまさなつのレビュー・感想・評価

五人の斥候兵(1938年製作の映画)
3.4
夏休みの宿題=戦争を考える4

太平洋戦争前に国策として作られた戦意高揚映画の一作。

GYAOでは今、日本の古い戦争映画を特集している。こんな作品まで、、気概あるなぁ〜思わず観てしまったがな。

大陸で中国軍と戦う一部隊が描かれています。決して敵をカッコよくやっつける映画ではない。前線の苦労とか、敵に襲われる恐怖とか、とちらかと言えば厭戦映画にさえ見える。よく出来てます。

戦後の反戦映画との違いは、部隊がある種の疑似家族のように描かれていることか?部隊長は部下思いで立派な父親的存在だし。

これを当時の人はどういう気持ちで観たんだろうか?それを戦場に送った息子からの便りと見ていたのか?こういう部隊なら安心して息子を任せられる?息子が戦場で頑張ってるんだから、自分たちも多少は我慢しないといけないとか?したたかな意味がありそうです、、^^;

戦前や戦時中、戦争に反対していた人はたくさんいたと思いますが、賛成した人も多かったのだとすると、何故そういう状況になっていったのか、その事に目を背けず知ることも大事なんだろう。戦争になってしまってからの悲惨さばかりでなく、戦争へと進んだそのプロセスでいったいどんな心情変化があったのか、その時の世の中の空気感とかを学ぶことも必要だと思います。

この映画はベネチアでグランプリではないようですが賞を取ったらしいです。恥ずかしながら日本映画が初めて賞を取ったのは「羅生門」だと思っていました💦皮肉にも、当時の日本映画のレベルは高かったということですね。そう言えば、ナチスドイツも映画によるプロパガンダを結構やってたなぁ〜。
まさなつ

まさなつ