おもしろい。
実話に基づいた、みんなで協力する型お仕事もの。
本作中でフォーカスされる登場人物は数多いのだけど、皆が個性的でキャラクターが良い。そして、その各々が積み重ねていった諸々がドーンと結実するラストはかなり気持ちよい。
各所でメリルストリープに他の女性が連帯するような仕草があった。
仕事の場では周囲にはほぼ男性しかいない状況が印象的で性差が歪に映りがちだった本作において、本作のテーマの一つとして強調されて描写されるそれらは非常に示唆的だった。
妻に諭されて、メリルストリープの決断が考えている以上に彼女にとって難しいものだったと知った後のトムハンクスの行動と、そこからの男性役員たちに啖呵を切るシーン。そういった性別的抑圧に打ち勝っていくエモーショナルの盛り上がりが静かでありながら見事で、感動した。
また、裁判後のメリルストリープがコメントを出さずにその場を去ろうとする場面でも女性たちが並んで見送っていて、セリフで語らなくても画だけでグッとくる良い場面。
ラスト、史実に基づく終わり方なわけだが、一つのきっかけとして新聞の務めた役割は大きかったのだな。
