物語の舞台となるのはベトナム戦争が泥沼化していた1970年代。戦況を分析し記録した文書「ペンタゴン・ペーパーズ」をひた隠す政府と、この事実を明らかにしようと奔走するワシントン・ポストの人々を描いた社会派ドラマです。
アメリカ政府は敗戦が濃厚と知りながらも戦争を続けていました。なぜか?それはアメリカが敗戦するわけにはいかないというプライドから。それが理由の70%らしい。そんな見栄のためだけに、何十万人もの若者の命が投入されていたとは。許しがたいことです。
この事実を人々に知らせるべく記事にするのか。それとも政府からの圧力に屈するのか。
メリル・ストリープ、トム・ハンクスという豪華キャストに、監督はスピルバーグ。ジャーナリストによる民主主義の根幹を守ろうとするストーリー。スリリングな展開。
豪華キャストに期待し過ぎたのかもしれません。面白いことは面白いんですが、なぜかあまり物語に厚みを感じず。
戦争が絡んだ重厚なテーマを2時間程度にまとめるとそうなってしまうのでしょうか。さらっと話が流れるように進んでいき、いい意味での「ひっかかり」のようなものが感じられませんでした。
ただ、最後の最後。終わり方が秀逸。思わず声が出てしまいました。ぜひこの続きを見てみたい!
と思い、鑑賞後に調べてみたら、本作のエンディングと“とある映画”の冒頭が繋がるような映像になっているとのこと。もちろん話も関連があるようです。その“とある映画”はスピルバーグの映画ではありませんし、古い映画ですがいつかそっちも見てみたいです。
このラストのわずか1~2分ほど、ここに「ひっかかり」がありました!