shiron

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のshironのレビュー・感想・評価

5.0
とにかくメリル・ストリープの演技が繊細で素晴らしい!
毎年のようにアカデミー賞にノミネートされていますが、実際納得の演技なので仕方ない(⌒-⌒; )
今回もまた、ノミネートしない訳にはいかない演技でした。

映画としては、ザ・安定感。
オーソドックスで手堅い演出に、骨太なテーマ。

鑑賞する前、アカデミー賞の大穴と思ってベットしたのですが(^◇^;)
だって“マスコミvs政府”はオスカー君の大好物だし、“女性の社会的地位問題”はハリウッドで最も旬なテーマだし
トドメにメリル・ストリープとトム・ハンクスを投入!
いやはや、鉄板すぎてちょっと引く程ww
まだまだ現役バリバリぞ!前のめりな映画屋魂にオスカーをプレゼントしたかった。

実際に観て、社会派なテーマの他に“新聞”という紙媒体へのリスペクトもあったように感じました。
ポストが買収された当初から、20年後には印刷媒体が無くなると言われていましたが
情報がデータではなく、手作りだった時代へのリスペクトとも言えるかもしれません。

まず印刷所が編集部と同じ建物の下にあることに驚きました。
原稿は憧れのエアシューターで送られます!
(私世代なら一度はやってみたいと思っているに違いない!)
活字を手作業で木箱に拾ってた頃から進化した、この時代の印刷工程が丁寧に描かれていて興味深かったです。
巨大タイプライターのキーボードを押すとアルファベットがどんどん落ちてきて整列していき、一行分になると鉛を流し込んで活字(版型)になる…あの機械も楽しそうですよね。(ライノタイプって言うらしい)
文字がセンテンスになり、文章になっていく様はまさに言葉を紡ぎ出していく感じ。

印刷された新聞が流れ出てくるシーンでは、インクの匂いがしてくるようでした。

記事を書く人、校正する人、印刷する人、新聞を束ねる人、運ぶ人…
最初から最後まで一貫して自社で手作りされていたのですね。

そして、それら全社員の運命をかけての決断に迫られるメリル・ストリープ!!
もとい、キャサリン・グラハム!!
彼女を応援せずにはいられません(T ^ T)


追記:『大統領の陰謀』に続くラストシーンにも興奮!
思わず映画で歴史年表を作りたくなりましたww

でも、スピルバーグ監督には、そろそろ歴史物を休んでいただいて、
次回はぜひジョージ・ミラー監督も驚くような、オレの趣味全開映画でオスカーを狙いにいってほしい!
『レディ・プレイヤー1』を手はじめに頑張って〜!!
子供の頃に映画の楽しさを教えてくれた監督なので、いつまでも応援していますo(^▽^)o
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