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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のkrhのレビュー・感想・評価

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地に足がついた安定も安定な良作。
スピルバーグおじさんに任せとけば安心!
展開から人物関係からメッセージ性からお屋敷の部屋の位置関係までクリーンな見せ方で大変ありがたい。
期待したことを期待通りにやってくれて、テンポがよく、情報量が多く、ベテラン感あるカメラワークで煽られるので最初から最後までどっぷり没入する。ストレスがない。

名優なみなさん、70'sオールディーズおじさん&おばさん演技が本当にお上手。
見どころの多い後半になるとオールスターマッチ感が出て来てワクワク5割増し。会話の応酬こそが面白い。

電話での決断の場面、落ち着きなく繰り返す決意のセリフ。彼女の自信のなさ、頼りなさ、逃げ場のなさを言い回しひとつで体現した、いい演技。
冒頭での、朝食をとるレストランでぶつかった時のsorry sorry sorryの連呼が布石になっている。
キャサリンは落ち着かないときにああいう言い方をする人なんだと予め明示されているから、あの場面の彼女のキリキリとした心情が伝わってくる。
なんだかんだ言ってメリル・ストリープのこの「決定打の一言」演技にいつもやられてしまう。
あとメガネをいじるクセ。自然だけど絶対目がいっちゃうし、あそこに彼女の心が置かれている。

政治家と記者、ジャーナリズム、フェミニズム。現実ではごちゃごちゃ議論されているのに、誰もが納得できる着地点。
「俺たちの仕事は終わらない」感のある某事件オチも良かった。今もまだ終わっちゃいねーぞ!ってことなんでしょうね
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