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蜘蛛の巣を払う女のユートのレビュー・感想・評価

蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)
2.7
ミレニアムシリーズのハリウッド版。前作はデヴィッド・フィンチャーが監督を務めた『ドラゴン・タトゥーの女』。主演はダニエル・クレイグとルーニー・マーラなど。

監督やメインキャストが変更になった今作。やはり、相対的に評価が下がってしまった感は否めない。

特に前作でリスベットを演じたルーニー・マーラが半端ではなかった。圧倒的に作り込まれたビジュアルは今作のクレア・フォイ版では敵わない。キャラクターの解釈と演じ方も然り。

また、カミラ率いる悪の組織は一体何がしたかったのかイマイチわからない‥。

この映画に限ったことではないけど、サスペンスものって「黒幕は誰か?」「動機は何なのか?」というところで興味が惹かれるわけだけども、悪役に野望や思想・哲学がない物語って、最後まで観ても何も残らないというか‥。

結局、サスペンスというエンタメとして機能させる駒でしかないのかと、作り手の都合が垣間見えてしまって冷める。

原作の小説は未読なので原作の問題なのか本作の問題なのかはわからないけれど‥。

ただ、ハイテク機器を駆使して局面を打開するシーンは全体的に見応えがあった。カミラの屋敷を可視化してバカでかいライフルで建物ごと敵を撃ち抜くとか最高。

あとビニールの中に入れられて圧縮されるのも新鮮。実際やられたらと思うと‥。

とりあえず、『ドラゴンタトゥーの女』の続編と期待するとやや肩透かしを喰らうので、そのつもりで鑑賞することをお勧めする。
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