ゆず

アネットのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

アネット(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

大人のための寓話ー!(←言ってみたかっただけ)

正直よくわからなかった。いやストーリーは分かりすぎるくらいよく分かったけど。レオス・カラックスの作品も初めてで…。例の如く予習も何もしないまま予告編とポスターだけで観に行ったんだけど…。ちなみにスパークスの音楽も初めて聴いた。

大人のための寓話、そして怪談話めいた雰囲気があって、ヘンリーとアンが出会った頃の幸福なシーンにも何か危うさを感じる。暗闇を疾走するバイクとか絵面がパワフルすぎてなんか笑えてくるし。あと妙に艶かしいセックス描写とかも。
アネットの造形は言わずもがなで、可愛らしい人形のはずなんだけどなんか怖いというアレ。いつのまにか髪の毛が伸びてるタイプのお人形さん。昔NHKで「おはなしのくに」という教育番組があってオープニングで天使っぽい人形が出てくるんだけどアレに顔が似てる。
俳優たちの中に子役として人形が混ざっていることにも、怖さというより違和感があって変な映画。

ヘンリーの栄光と挫折、そして転落人生。アンもヘンリーへの復讐心からアネットを利用する。(アネットが歌えたのはアンの魂の干渉かと思ったが、それなら何故アンはヘンリーに美味しい思いをさせたのだろう。幸福の絶頂で突き落とすため?)
可哀想なアネットは、しかしやがて成長して、両親にとっての人形ではなくなる。そのことにヘンリーが気づいた時にはすべてが遅かった…。そういう話なんだろうと思う。

冒頭から、息を止めて観ろとか最後の深呼吸をしろとか、これから映画が始まると歌い出したりとかやりたい放題で面白い。本編中も観客に語りかけるように歌ったりする。
あと謎に古舘寛治さんキャスティングされてるのは笑った。(同シーンのアジア人看護師が福島リラさんか)
"6人の被害女性"の中に水原希子さんぽい人いると思ったらまさに水原希子さんで、現実での彼女の苦難と重ねてしまった。
ゆず

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