Misakey

雪道のMisakeyのレビュー・感想・評価

雪道(2015年製作の映画)
4.5
やや貧乏人の家に生まれた老婆が、お嬢様として生まれた子と慰安婦として生きた時を現代で回想する映画。

やっと観る事ができて大満足の1本。
ヒャンギちゃん、セロンの2人が主演をやっているなら
観ない訳はいかない。
でも、内容が内容なので、日本で上映しないかと思っていたよ。

自分は広島で生まれ育ち、平和教育を徹底されているので
日本軍の鬼畜さはわかっていたつもり。
特に慰安婦については、五味川順平の「人間の條件」小説や
水木しげるの漫画でも生々しく描いていたのを読んでいたので
なぜここまで慰安婦は無いと否定している人達がいるのか
逆に不思議なくらい派。

それでも、今まで目にした慰安婦の感情表現は
慰安婦になった後からのものだったので
今回のようにどうやって連れて来られたのか、
どのように生活していたのか、など
慰安婦目線でしっかり描かれていたのが新鮮だった。

特に裕福で教育を受けていた女の子と
学校に行きたくても行けない女の子の両方を描くことで
1人は納得いかない、1人はこの状況を受け入れるしかない、と対比があったのも興味深かった。

とにかく泣ける。終わっても涙が止まらない。
こんな事があっていいのかと。同じ女性として、親として許せない。
何にせよ、こんな慰安婦のようなアイデア、良く思いつくよなぁと。
当時は女性はモノというか男性の付属物でしかなかったというのが
よくわかる。
女性だけではなく、上のものに逆らえない暴力主義は
人権を奪う最低な考えだね。
酷い時代過ぎる。今でも人権の無い国はあるのが残念過ぎ。

慰安婦の問題は
証言をする人が存命のうちに、色々な角度で言質を取って
ちゃんと整理した方が良いのではないかと思う。
あの年齢で、あんな仕事をさせられるのは
話が大げさだろうが何だろうが
人として屈辱でしかないのでしっかり考えるべきだと思うわ。

本当に多くの人に観てもらいたい映画。
Misakey

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