KenzOasis

永遠のジャンゴのKenzOasisのレビュー・感想・評価

永遠のジャンゴ(2017年製作の映画)
4.0
「音楽がおれを知っている」

ジャンゴラインハルトという人物を全然知らなかったので、後になっていろいろと調べてみてから、あれはそういうことだったのかと合点が行くシーンがたくさんあって知識不足を実感しました。笑

第二次世界大戦時、ヒトラー率いるドイツがパリを占領下においていたとき。「ドイツに連れて行かれたら帰ってこれない」と言われていた中でジプシー狩りが激しくなり始めていたころ、唯一無二の天才ジャズギタリストとして人びとを湧かせていたジャンゴは、ドイツ軍にドイツ軍のための公演をしろと言われてしまう…というお話。

音楽がとにかくカッコイイです。思わずノッてしまう。こんなギターテクはトミーエマニュエルしか知らなかったけど、ジャズギタリストってほんとにすごい…
大好きなウディアレン映画の一つ「ギター弾きの恋」で、主人公が世界一はジャンゴだと言っていましたが、あれがこの人だったんだな。
ジャンゴという人は若い時分に手をひどく火傷してしまって障害が残っていたそうで。ギターはもう弾けないと言われていたのに独自の奏法でそれを踏み越え、唯一無二になった。天才、と言うのにも納得ですね。

偉大すぎる才能。それがよくわかるシーンが何度もあります。音楽はやっぱり一つの世界共通言語なんですね。人を集め、笑顔にするし、涙を拭うし、いろんな意味で、心をすくい上げる。

苦しく辛い出来事もたくさん起きていますが、『音楽だけが未来を照らした』というのは間違いなくて、それがこの人たちの人生だった。

しっかりとした手触りの作品です。
ジャンゴのアルバム聴いてみようと思います。
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