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ラストウォー1944 独ソ・フィンランド戦線のeのレビュー・感想・評価

4.0
例によってB級戦争映画なパッケージですが、これまた例によって中身は全然違います。久々に相当な変わりダネ。

ラップランド戦争が舞台なんですが、まず普通はラップランド戦争がなんなのかわからない。

第二次世界大戦でフィンランドはドイツと協力していた枢軸国側なんですが、それはソ連がフィンランドへ侵攻して、自国を防衛するためにドイツと協力せざるを得なかったためです。冬戦争、継続戦争となんとかソ連と戦ってきたフィンランドですが、色々と不利な状況ながら、それでも独立を守ったままソ連との講和にこぎつけます。しかしソ連の講和条件のひとつが、フィンランド内に駐留しているドイツ軍の武装解除で、これによってドイツ軍はフィンランドから撤退を開始するんですが、その過程で今まで協力してソ連と戦ってきたフィンランド軍とドイツ軍の間に戦闘が生じ、尚且つフィンランドは裏切り者として撤退時には焦土作戦が決行されます。

これがフィンランドとドイツが戦ったラップランド戦争なんですが、映画を見るのにそれほど知らなくても大丈夫です笑。この映画は、あらすじとしてはフィンランド人女性とドイツ兵の恋愛映画となっているからです。フィンランド語の原題は「助産婦」。

一応恋愛映画なんですが、ドイツ軍が親衛隊しか出てこなかったり、野営地の捕虜収容所で人体実験を行っていたり、どこまで史実の通りなのかそちらが気になりました。また、フィンランドでのホロコーストの話は全く聞いたことないですが、ホロコーストっぽい描写が一瞬だけ出てきます。ちなみにウクライナのバビヤールも出てきます。

冬戦争関連の書籍は若干あるみたいですが、第二次世界大戦でのフィンランドでのドイツ軍の状況が詳しく書かれている文献は目にした記憶がないので、諸々どこまでが史実に沿っているのか気になるところですが、それ以外にも、北欧の寒々しくも神秘的な景色の中のドイツ兵や、どこまで本当なのかわかりませんがフィンランド人の暮らしぶりなんかも新鮮な感じでした。

当事者国のフィンランドじゃないと制作不可能だったと思うので高めの点数で。
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