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コケティッシュな女のsonozyのレビュー・感想・評価

コケティッシュな女(1955年製作の映画)
4.0
ジャン=リュック・ゴダール監督の2作目となる10分弱の短篇。
モーパッサンの短篇『Le Signe(合図)』がベースとのこと。

夫のいる女性アニエスが、女友達のフランソワに、ある相談の手紙を書いていて、その内容の回想シーンが始まるという構造。

ある冬の金曜日の午前中。いつものように夫ジャックは両親の家へ行っており、アニエス(妻)は昼食のため家路に急いでいた。
道に面したビルの階上の窓の美しい女の行動が気になり見ていると、道行くすべての男たちに絶妙な微笑みと合図を投げていて、一人の男(ゴダールが演じてます)が、ビルに入っていった。
興味本位で見ていると男は15分ほどで出てきて、女は再び窓を開けて同じことを繰り返す。

そんな売春婦の光景を初めて見たのか、アニエスは驚きながらその場を離れるが、その女への憤りと好奇心と敬意が混じったような感情に捕らえられ、突然クレイジーなことを思いつく。
女を真似て、最初に見かけた男にコケティッシュな(男の気をひき惑わせる)表情をしてみたらどうなるか実験をしてみようかと・・・

ルソー公園に寄ると、他に誰もいないベンチで一人新聞を読んでいる男がいて、彼の前を往復してみたり、挙動不審気味な動きをするアニエス。
彼も意識しつつ様子を伺っていたが、アニエスのシャイなコケティッシュ光線に・・・

ラストは再びフランソワ宛の手紙に向かうアニエス。

アニエス、白い手袋して、立てたコートの襟にうずめた顔をチラッと見せてコケティッシュな視線と微笑み。
これは、窓の女(プロ)の真似になってない危険な実験ですね。笑;

2作目にしてショットの魅力、売春婦の刺激を受けちゃった主婦アニエスの複雑な心理&行動を捉えた展開。
さすがゴダール。

YouTube(英語字幕)
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