都部

スキン~あなたに触らせて~の都部のレビュー・感想・評価

3.0
瞳のない娼婦、人魚に成る為に自傷を繰り返す青年、生まれついて口部が肛門の少女、社会的マイノリティにある彼彼女の日々の描く群像劇。

ビビットなパステルカラーと設定の強さに反して繊細に精緻に描かれる美醜を巡る葛藤の数々。美の固定概念に対するアンチテーゼ的な作風はメッセージ性の強さを感じさせる。
身体的奇形精神的奇形と社会において美とは遠いとされている存在を余さずに映しているのが綺麗事で終わらせない意地を感じるし、より自由な選択をするのは社会的な美に囚われていない(ルッキズムか?)前者の人々であるという。人魚のエピソードはしっとりとしていてお気に入り。
とにかく絵面が強いシーンが続くので人を選ぶ作品ではあるが、性別や外見を取り払って人間を描いた本作を見た価値はあったなぁと朧気に思う。
都部

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