イチロヲ

大怪獣ヨンガリのイチロヲのレビュー・感想・評価

大怪獣ヨンガリ(1967年製作の映画)
3.0
中東の核実験を観測する研究員たちが、地下に眠っていた大怪獣ヨンガリの覚醒と韓国本土での決戦を危惧する。日本の怪獣ブームに感化されている、韓国産の特撮怪獣映画。

日本の特撮ファンのあいだでは「韓国のヤンガリー」と呼称することが多いが、1967年版は「ヨンガリ」表記。ガメラの造形班が着ぐるみとミニチュアを手掛けており、全体的に大映作品のような仕上がりになっている。

舌と歯が取り除かれた別ヘッドが丸見えだったり、民衆と建物の縮尺が間違っていたりするけれども、どれも可愛げのある拙さといえる。全体を通してみると、破壊の美学への挑戦を感じ取ることができる。

店主の不在を狙って暴飲する人、不必要な備品を抱えながら避難する人、神の御加護を説こうとするクリスチャンなど、混乱に陥っている一般庶民の描写が秀逸。ヒロインのサイケ柄ファッションと、根本敬先生が喜びそうなコリアン・ガレージが印象に残る。
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