高橋典幸

デトロイトの高橋典幸のレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.5
試写で封切り前にいち早く鑑賞。作品で扱う問題や50年前に実際に起こった事件について私は専門ではありません。作品で描かれた中から感じた個人的な感想として箇条書き的にメモしたことをいくつか。

陪審員が有罪、無罪を判決することはこうも困難なものなのか

結審後、当時警備員として居合わせた男が外で吐くシーンは私も吐きそうになるほどに胸糞悪い裁判で共感した

ラストまで胸糞悪い

オープニングにアニメーションと字幕で当時のデトロイトの時代背景が説明されるのだがそこが軽くて、暴動が起きるほどまでに至った経緯の重さが伝わらず、実写での暴動や略奪や破壊行為がふざけてやっているだけのように映った。

そうなると鎮静に向けて警察等が対応する中、一部の若い警官たちの行き過ぎた「死のゲーム」と称する尋問行為による殺人と暴行が問題になりかけるも。。。

イエローは卑怯者と訳されていた。

ほんの一晩の出来事がその後の生涯に影響を与えてしまう。しかもたまたまそこに行って出くわしたというだけという怖さ。

行き過ぎた言動の応酬が生み出した出来事と当時の裁判の結審を見せつけられる。行き過ぎた憂さ晴らし、行き過ぎたいたずら、行き過ぎた権力行使、それらがもたらすひとつの結果。

50年前の記録と当事者の記憶で描かれた作品とのこと。それらをほんの142分間にまとめるわけなので製作者の意図や脚色ははいっての作品なのだろうとは推察される。この142分間がこの事件の全てとは思わないが、垣間見させてくれたことには感謝。
高橋典幸

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