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ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密のFRANCISのレビュー・感想・評価

4.7
ワンダーウーマン映画化に便乗し製作されたワンダーウーマン製作秘話。この手の映画は本家に遥か劣るのが普通だがこの映画は本家に増した物語よりも奇妙な実話を基にしていて本家超えの面白さを感じさせる。

嘘発見機の開発者、マーストン教授と妻の元にやって来た若き女生徒の3人惹かれ合い、3人の奇妙な共同生活が始まっていく。関係が深まるにつれて仮装をしての拘束と更にエスカレートする彼らの異質な情事。彼らは周囲の人間の目や育児、そしてその時代故の不寛容といった苦労を重ねることになる。

同性愛など性の多様な価値観が認められつつある現在でもなお、異端視され一部には強く批判されるマーストン教授の生き様と考え。

倫理委員会など保守層には同性愛や拘束、暴力にフェミニズム的価値観を子供に想起させると評判が悪かったワンダー・ウーマンも、そのウーマンリブの萌芽とも言える女の強さと誇りを表現した作風はスーパーマンやバットマンを超える人気を誇る作品となるのは印象的だ。

ワンダーウーマン製作自体の描写は時間の枠もあり随分とあっさりだが、シチュエーションに合わせてところどころに写し出されるワンダーウーマンのコミックスと、女ヒーローは流行らない時代にいち早く目を向けたDCコミックスの英断は鮮明に映る。
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