カール・マルクスが
メガホンをとった?
と思わせるような映画!
「カネは資本家の元に集まる」
「貧乏人は搾取されるだけ」
「資本家を騙し、富を取り戻す!」
主人公ミンジェの言動から
浮かぶのは、強欲な資本主義
システムへの怒りだ。
一昔前なら、革命戦士になっていた
かもしれないね。
でも舞台は現代の韓国。
極貧家庭出身の主人公が
選んだのは、
詐欺師の道でした🤭
詐欺グループ内で対立が起きる
という展開には、意表を突かれた。
勝つのは、銀行をカモにする
ミンジェか。
それとも、銀行と組んで
庶民を食い物にするパクか。
両者の攻防が見所だ。
映画では、企業の現業部門で
額に汗して働く賃金労働者も登場。
なんと哀れな姿よ😢
給料が安すぎて、子供の教育費も
親の医療費も出してあげられない。
だから怪しげな融資話に手を出し、
さらなる泥沼にはまってしまう。
そう、額に汗して真面目に働けば、
いつか必ず豊かになるなんて迷信だ。
もしそれが本当なら、80~90年代に
「24時間は・た・らーけますか?
ビジネスマーン、ビジネスマーン」
やってた当時の若手社員たちは、
今ごろ悠々自適の暮らしをしている
はずだが、実際は違う。
蓄えもなく、将来不安を募らせて
いるのが悲しい現実だ。
蓄財するには、マネーを転がす
以外に手はないかも。投資。融資。
不動産収入…。持てる者はさらに
豊かになり、持たざる者はさらに
貧しくなる資本主義。本作品は、
そんな資本主義の本質をよく
捉えていると思う。コミカルな
娯楽映画として鑑賞するのもよし。
あれこれと考察するのもよし。
いろいろと楽しめる一本です。