いかえもん

ラウンダーズのいかえもんのレビュー・感想・評価

ラウンダーズ(1998年製作の映画)
3.9
昔に観たはずだけど、さっぱり覚えてなかった。

プロ級のポーカーの腕前をもつ主人公マイク(マット・デイモン)。ロースクールの学費もポーカーで稼いだお金。しかし、一夜にして3万ドルをロシア人(マルコビッチ)に巻き上げられポーカーから足を洗うことに決めたが、悪友ワーム(エドワード・ノートン)を助けなければならなくなり…というお話。

若き日のマット・ディモンのキャラクターが見事に活かされた映画だと思う。頭がよくて、クール、だけどちょっとお人よし。ワームに人生をひっかきまわされて、落ちるところまで落ちてしまうのを見てると、あーあ…って言いたくなる。だけど、持ち前のスマートさで危機を切り抜けて、本当の自分を見つけるあたり、「グッドウィルハンティング」や「レインメーカー」なんかとちょっと通じる感じの映画です。

とはいえ、人というのはやっぱり一人で生きているわけではない。彼の窮地を救う大学の教授がいいなぁと思った。
教授が自分にはこの人生しかなかったのだと語るところで、
Destiny chooses me.
という台詞が印象的だった。
実は私自身も大きな回り道をして今の職にあるので、この教授の言うことに少なからず頷けた部分があった。
人生を選んでいるようで、結局は運命に選ばれているような…。
この道しかなかったんだと心から思えると、その先を目指して邁進できる。危ない博打映画ながら、そういう爽やかさが最後に残る良作でした。