このレビューはネタバレを含みます
夜が明ける前、青年シモンは眠る恋人を残しそっと部屋を出る。
友人と3人でサーフィンをするために。
その後、車で3人は大事故を起こす。
意識不明で重篤のシモン。脳死状態となる。両親は心臓の提供を医師に告げられる。
一方、末期の心臓病に侵されているクレール。彼女はシモンの心臓を移植することになる。
生を受ける側、死を受けとめる側の双方の大切さが胸に刺さる。
シモンの両親は突然の脳死と心臓の提供を時間の猶予がない事を告げられる。
どれだけ苦しく悲しいか。
それを考える時間さえあまりなく決断しなくてはいけない。
親ならおかしくなりそうな時間だ。
シモンは提供者として移植手術を受ける前、意識の無い彼に、医師が優しく家族からのキス、恋人からのメッセージ「波の音」を伝える。
その後、無事にシモンの心臓はクレールに移植される。
シモンはクレールの身体の中で生き続ける。
病院で待つクレールの息子達。
クレールの友人の笑顔で手術の成功を知る。
シモンの両親は医師からのメールで移植の事を知る。
朝日が両親の姿を射す。
悲しみは、どこかで生きているシモンを感じる様に。
とても悲しく切ない話だが、どこかで生きているシモンを思うと少し救われる気がした。
提供する側、される側の手術の風景を大切にリアルに映像化されているような気がした。