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マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)のものネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

子どもは親を選べないとは昔から良く言うけれど、最近では親ガチャなんて言葉があったりして、いつどの時代であっても親子関係は悩みの種なのかもしれない。
そういう親子関係をユーモラスに、時に現実を突きつけながらも、優しい視点で描いた映画。
ジェイン・オースティンのような辛辣なユーモアが特にいい。
特筆すべきはダスティン・ホフマンとエマ・ワトソン演じる父母で、これまた突き抜けた演技に心底イライラするんだけど、こういう人いるよねっていう妙なリアリティがある。
いっそのこと縁を切れば良いのにと思うシーンがあるかと思えば、やっぱり家族だしねみたいなシーンを挟んでの、人間本質的には一生変わらないな!っていうがっかりをやってくる。そういうなにがあってもブレない父母がすごいのね。
かといってクソ野郎でもない。本当にうまい。
ダスティン・ホフマンの父親が自分のことばかり話すためにベン・スティラー演じる息子との会話が全く噛み合わないシーンなんかがすごくて、観てるこっちがストレスに晒される。
そういう親との向き合い方を、なあなあでやっていくでもなく、絶縁するでもない関係に持っていっているのが観ていてはっとさせられる。
アダム・サンドラーがはっきりと自立する場面の演出が印象的。
全体的にシュールなコメディなのだが、だからこそたまに挟まれるシリアスなドラマがコントラストになっている。
個性的な映像を作ってる孫娘が1番素直でとても良い子なのが、あの家族の中にあっては輝いて見える。
彼女が最後に美術館で見つける、祖父の話の証拠もいい。
ひねくれているけど、味わい深い良い映画だった。
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