『兄は今日を生きた。弟は未来を夢見た。』
舞台は1967年のコペンハーゲン、母親の病気により施設に預けられた兄弟の苦難を描いた作品。
見ててこんなに辛くなる映画は久しぶりでした。
躾と称した体罰、上級生によるイジメ、受け入れがたい訃報…
いつもは強いお兄ちゃんが、たった一度、感情を露わにして泣いてしまうシーンがとにかく悲しかった。
お兄ちゃんだって子供だし本当はもっと自由に泣いていいはずなのに、泣き言ひとつ言わずに足が不自由な弟を守る姿に始終胸が痛みました。
だけどそんなお兄ちゃんの傍に弟がいて良かったとも思います。
辛い状況に身を置いても決して希望を捨てずに未来を語ることができる弟こそ、お兄ちゃんやみんなにとっては希望そのものであったはず。
特に終盤、弟が見せた勇気はみんなが変わるキッカケとなりました。
大人だろうと子供だろうと、人は大事な物を守ろうとするとき何倍も強くなれる。
強さとは心の在り方であることをこの兄弟が教えてくれた。
願わくば、どう転んでもハッピーエンドになり得ないこの物語が二度と繰り返されませんように。
傷を負った人達の心が、少しでも救われるような世界になりますように。
可能性であり、未来である子供の笑顔を守れる大人になりたいと思う。