美しいラブストーリーと友情だ。
研究所で清掃員として働く女性は喋ることができない。そんな彼女の友人は隣人の孤独な絵描きと清掃員仲間の黒人女性。
身体障害、性的指向、人種。マイノリティである彼女たち。
そんな彼女の勤める研究所に研究対象として人魚が運び込まれる。現地人に神と崇められた彼を化け物と呼び解剖しようとする米と生かして研究したい露の思惑をよそに惹かれ合う二人。そして研究所から人魚を助け出すことでいよいよ事は動き出す。
人間ドラマの丁寧さ、テンポの良さ、ファンタジーとリアリティの絶妙なバランス、そして終わり方がいい。海の中は見えないからこそ信じたいラストである。