ちゃんむら

シェイプ・オブ・ウォーターのちゃんむらのレビュー・感想・評価

4.2
デルトロの描いた幻想的な「フランケンシュタイン」
何が面白いって、もはや綺麗な物より、醜い物の方が美しいと言わんばかりのテンションで映画を作っていることです。
劇中でかなり存在感のある典型的な強者側の男にも愛する幸せな家庭があるのですが、そちらには少しも美しさを感じさせない作りになっています。(夫婦のセックスシーンはAVのように派手だし、子供は生意気そう)
「ここにいる人たち、そして怪物たちに感謝します」と語った名スピーチからも、空想に浸ったオタク少年だったデルトロ監督の、弱いものへの優しさを感じました。

普通じゃない二人が寄り添い合う純真なストーリー、終始癒やされる水の音、言葉で語れない愛情を体いっぱいに表す、サリーホーキンスの演技が、心の琴線に触れます。

孤独や劣等感を感じやすい今の時代だからこそ観てほしい映画です。