ちゃんむら

オッペンハイマーのちゃんむらのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.4
1/3くらいの時間は理解できてなかった。
歴史について予習はした方がいい映画です。
そんな状態でも、既にクリストファー・ノーランの最高傑作とは感じてます。

政治に利用された殉教者。
強いようで弱く、尊いようで愚かなオッペンハイマーが「アラビアのロレンス」の主人公と被りました。(ノーランはロレンス好きなので、結構意識してたと思います。)
この難しい役を見事に演じたキリアン・マーフィーのアカデミー主演男優賞は納得です。
演技の仕方が、前半後半で大きく変わった気がしました。
物語前半は、アイデンティティーがあるようで揺れているオッペンハイマーを、目が泳いで、焦点が合わない演技で表現していました。一方、後半からは、圧倒的な情報量の喧騒と、人への諦めからくる衰弱の中、なんとか偽善を保ってでも、反水爆を突き通そうとするもがきを、視線の強弱で表現してました。
演技に泣きそうになりました。