じゅん16g

シェイプ・オブ・ウォーターのじゅん16gのレビュー・感想・評価

3.0
1960年代、ソ連との冷戦時代にアメリカの極秘施設で働く主人公はある不思議な生物と出会う。それまで毎日決められた時間に決められた行動を取ってきた主人公の生活が変わり始め…といった話。

やはりギレルモ・デル・トロ作品。ただ美しいだけの映画ではなかった。
この物語は主人公であるイライザの視点ではなく、語り部になっているイライザの隣人であり友人のジャイルズの視点で語られているというところ。なのでラストシーンに関しては彼の想像でしかないという見方もできる。

随所に散りばめられた〝青〟や〝緑〟といった色を纏った小物など、その生物を彷彿とさせていたのだろうか。
この時代の障害者差別や黒人差別など、パイの店のシーンからも白人至上主義にとって彼らはみんな〝口の聞けない人達〟だったのだろう。
妙に生々しい性描写や主人公の不遇な人生、ラストシーンの描き方などこれまでの監督作と共通する部分もあり、必ずしも万人受けする作品ではない気がした。
ラストシーンはパンズ・ラビリンスに近いものを感じた。