えちぜん

シェイプ・オブ・ウォーターのえちぜんのレビュー・感想・評価

4.3
冒頭の部屋シーンから「只者ではない感」でグイグイ引き寄せられた。ギレルモ・デル・トロのことは「ヲタク監督」程度の認識でいたが、全てのシーンで大道具・小道具・ファッション・色彩などいちいちステキすぎる(*≧∀≦*)

特に感動したのは半魚人デザインや造形。スターウォーズやアバターなど、これまでに作られてきたどんなSF・アニメのものとも似通っていないのに、すごく美しかったこと。怪獣系に詳しいわけじゃないけど、オタクはオタクどもデルトロ級まで昇華すると革新的アートとさえいえる。

デルトロ監督は「美女と野獣が嫌い」というのが発端にあるそうだけど、半魚人と中年女のラブストーリーまでくると、昨今の性別や肌の色といった差別問題がここまで拡大して受け入れられる時代になったんですね( ͡° ͜ʖ ͡°)あと5年早ければオスカー はなかったと思う。

もう一つデルトロすごい!と思ったのは、サリー・ホーキンスのオナニーに始まって、終始グロ・バイオレンス描写が意外と過激なんだけど、一方でミュージカルとか、バスの窓ガラスの2粒の雨滴がひとつになるとかロマンチックなシーンも多くて、これまでのラブストーリーは「美しい表現しか取り入れない」がセオリーだったのを、デルトロは美醜あいまみれるというか、キレイもキタナイも平等に扱ってるんすよね。こういうとこ、21世紀の映画ですよ!
えちぜん

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