睡眠へと導くアクションなき舞台的会話劇
映像の雰囲気は結構よく玉木宏の演技トーンに適合しているように感じられ、これはもしかしたら見応えあるかもと期待してしまったが、沈滞ムードのまんま何の感情的振幅も喚起せず知的好奇心も尻すぼみ、グズグズのままエンドになってしまった。
〝邪”教黒魔術的凄惨な或いは淫蕩な儀式でもあるかと思いきや一つもなく。
玉木宏の兄とされる凶暴な男の時限爆弾による〝爆死”シーンもなし。
その他テログループの凶行などもニュース映像のみで直接描写無し。
代わりにとにかく会話主体。ほぼストーリー全てが会話で説明されてしまうという始末。
一つ分からなかったのが刑事:柄本明が玉木宏を執拗に付け回していた理由。もしや前作でもあるのかと視聴後に調べたらあるわけでもなさそう。ということはそれもまた映画中の会話で全て説明され尽していたということになるのだろう。
原作はどうか知らないが、本作はスタイリッシュを狙い過ぎ雑味を極力排除してしまったためにスカスカになった「お澄ましラーメン」みたいなもの。
1.3倍速でもイライラしてしまった救われない映画。
012010