かなき

ゴーストRE:BIRTH 仮面ライダースペクターのかなきのレビュー・感想・評価

4.1
【再び、眼魔世界に旅立った
マコト=仮面ライダースペクターの
過去とその後の物語ーーー。】

眼魔世界の赤い空をいつか必ず美しい青い空にーー。
それを叶えるため、苦悩するアランにマコトは言う。

『もしお前が道に迷った時は、俺が殴ってても引き戻してやる』

マコトはアランの理想を叶えてやりたいあまり、かつて眼魔世界を追放されたダントンの思想に肩入れをしてしまう。
道を踏み外したマコトにアランは言う。

『だから私もお前を引き戻す!
お前の出生がどうであろうと関係ない。
マコト!お前は私の友だ!』

今作はマコトの過去を中心に紐解かれているが、実質スペクター&ネクロム。
マコトの出生の謎と同時に、アランとの強い絆がしっかりと描かれている。
山本涼介の人間離れしたルックスと重い設定が実に合う。

豪雨の中、互いのことを想うあまり全力で衝突するシーンは傑作。
7つの罪を数え新たな力を手にいれるスペクターと、友を想い力を手に入れるネクロム。当初の2人の無感情さを思うと、あまりの人間らしさに胸が熱くなる。

何よりも、最後のアランの演説シーンは涙なしには見られない。
アランを演じた磯村勇斗が、その演説の中身を考えたというから感動は2倍。
これでやっと、ゴースト完結。
そう言うにふさわしいラスト。
すこしダークな世界観が、まさに“ゴースト”のような不気味さを加えていてとても良い。
かなき

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