ともぴ

アナと雪の女王2のともぴのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

字幕で鑑賞。

前作はBlu-rayを購入して何度も何度も観た大好きな作品。2もほぼ製作者キャストが続投で、世界観が更に深められていた作品になっていました。

北欧神話や気候の特徴を絡めながら、キャラクターの背景や心理もきちんと描写し、前作の世界観を広げた話になっていて圧倒されました(全て後付けのはずなのに、すごく説得力があった。すごい。)

私が1番感銘を受けたのは、主人公姉妹の描写が前作と比べてとても大人に描かれていた点です。

前作で姉妹は「アイデンティティの芽生え」や「愛する意味」という、思春期の悩みを抱えていました。
エルサは自分の存在意義について悩み、厨二病的に自暴自棄になりレリゴー歌い王国を逃げ出しました。
アナは「愛ってなに?」「恋ってなに?」と子どもから大人に成長する女の子の心理が全面に出つつ、自分の意志のままに行動します。
前作の姉妹は、未熟で初々しくて、でも誰しも経験したことのある「思春期の悩み」を持っていた。
ヒットした要員は、美しい映像と音楽のほかにキャラクターに共感できるところが多かったからではないかな?と思います。

一転して、本作は2人とも大人の悩みを持って冒険していました。
思春期のような自分勝手にではなく、色んな人や環境を考えて行動する。自分のやりたいことだけではなく、自分の置かれた立場や使命をわかった上で役割を果たそうとする。愛が何なのか理解しているからこそ、相手を尊重し、そして自分も大事にできる。とても近代的な考え方です。

今作はもはや、おとぎ話ではない。
女性の社会進出に伴って現代女性に求められる「勇気」「決断」「配慮」が描かれていたのではないでしょうか。

エルサは王妃としての使命を全うしていて、王国は栄えていた。自分に求められている事を察知し周りへの期待に誠意を持って応えていた。立派な社会人ですね。
でも、彼女にはもっと高いスキルがあった。心の底から楽しんで、その実力を遺憾無く発揮出来る場所が他にある。あ、これ転職ですね!キャリアアップです。
エルサが力を解放して、生き生きと進んで行く洞窟のシーンはとても華々しかった。
レリゴーの中の歌詞「HERE I STAND」が今作の洞窟の歌でも出てきていた気がするんですが、前のように投げやりな感じではなく、自分の強い意志を持って歌われていました。
エルサはずっと悩んだままの下がり眉キャラだったので、生き生きと過ごせる場所が見つかってよかった。

アナも、前作はわがままお姫様だったのに、今作では色んな人達に寄り添っていました。大人になったなぁー!
クリストフとの関係だけでなく、エルサ、王国内外人達との絆を強く結びつける役目を自らが果たそうといつも懸命になって行動していた。こういう気遣いと配慮って職場ではものすごく助かりますよね。将来有望な管理職です。
終盤のどん底に沈んだ後の「正しい判断」をするアナはヒロインというよりヒーローでしょう。めちゃくちゃかっこよかったー!
正直、前作のアナはワガママっ子ちゃんで可愛けど共感はできなかったけど、今作はほんとに主人公でよかったです。

あ、そういえば今作にもいました、ヒロイン。クリストフ。
彼は作品中ほとんどでプロポーズの事しか考えてない、周りがどんなに大変な状況だろうが揺るがない。ついには大々的に歌を歌って「僕は迷子、アナ次第(アナについていく)」って、おいおい!ここギャグパートですね!?
昔のディズニープリンセスの「いつか王子様が」とか「結婚したら幸せになる」を盛大にディスってるただのギャグですね!分かりにくいけど1度そう思ったら妙に腑に落ちました。
あまりに堂々とこのシーンが展開するので呆気に取られて混乱しちゃったんですが、おとぎ話を皮肉ってるんだと思いました。

他にも、映像の素晴らしさとか、神話生物の描き方が美しくてとか、音楽が秀逸でとか、親の愛とか、色々書きたいことはあるんですが割愛します。
ぜんぶ素晴らしかった!
ともぴ

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