SANKOU

ライオン・キングのSANKOUのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
3.9
まず冒頭の『サークル・オブ・ライフ』のシーンがオリジナルアニメにとても忠実で感動した。
当然、アニメーションとは違い、キャラクターの表情がデフォルメされていない分、かなりリアルな描写になっている。
逆に表情が豊かでない分、想像力に訴えかけてくるものがあり、シーンによってはオリジナルを超える感動があった。

ただアニメと違ってシリアスな設定と展開に戸惑う部分もあった。
今回アニメ版と決定的に違ったのがハイエナの役割だ。
彼らは決してライオンに屈服しているわけではない。
スカーとも主従関係で行動を共にしているのではなく、あくまで利害が一致しているから手を組んでいるに過ぎない。
単純な勧善懲悪ではなく、ハイエナたちのように虐げられたものの苦しみに寄り添う部分はあるものの、スカーはあくまでも悪に徹しており、彼に感情移入をさせない作りは成功だったと思う。
背中を向けた幼いシンバへ殺意を剥き出しにしている彼の表情が不気味だった。

多様性に配慮し過ぎた分、シンプルな面白さが損なわれた感は否めなかった。
個人的にはやはりシェンジ、バンザイ、エドのでこぼこコンビはアニメに忠実にして欲しかった。
逆にティモンとプンヴァはデフォルメされていない分、よりコンビのでこぼこさが際立っていたのが面白かった。
SANKOU

SANKOU