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ライオン・キングのhonestakiのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
3.6
何の期待もしていなかったし、やはり期待せずにいて良かったという感想。

映像化に成功した動物の動きのリアリティが、アニメ版では見事に融合した楽曲とのファンタジーを殺してしまったのね。
アニメではデカ目と白い歯、柔らかな頬が豊かに表情を変える事で感情を伝えていた。
素晴らしくリアリティを追求しているので、せっかくのプンヴァとティモンのキャラクターが生きていない。
四つ脚の動きは足以上の機能はなく、会話でも顎が上下に動くだけなので、引き画だと声優の演技を頼るしかない。
ティモンの小顔が小さすぎて、単独アップになってくれないと見えないのである。
CGを使っているのだから、思い切って映画らしくデフォルメしちゃっても良かったのではなかろうか?

しかし反対に、寄り画だと動物の目がドキュメンタリーを観ているかのように説得力を持つのである。
歯痒い。実に歯痒い。
どうすればアニメーションとと実写っぽさのいいとこ取りが出来るのか?
「早く王様になりたい」「ハクナマタタ」「愛を感じて」が浮いているから、悔しさを感じるくらい。
ビヨンセ演じるナラが成熟していて、母親かと思うほど。もっと若い声の方に演じてほしかった。

不満ばかり書いているけれど、リアリティを追求したからこそ味わえる感動も満載でして。
特に闘いのシーンはライブドキュメントを観ているのかと思うほど。音楽を含めた”音”に注目。

MVPはスカー。彼のためのリメイクかと思うほど。
シンバの成長物語として見ると特に感動するものがないので、circle of life って何だっけ?と思ってしまった。
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