バンドの事は知らなくても超有名な曲が豊富なクイーンの代表的な曲のメイキングやメンバーの関係性、当時のミュージックシーン、ゲイやエイズに対する偏見や誤解、差別など、駆け足ではあるが盛り込めるだけ盛り込んだ作品。
製作中のトラブルなど吹き飛ばす勢いの本作はエネルギーに満ち溢れている。
終盤のライブエイドのセットリストの歌詞が主人公の状況にとても寄り添っているのだと感慨深く感じた。
特典映像ではライブエイドの完全版が入っており更に感慨深い。
俳優陣の演技や演奏も素晴らしく特にラミ・マレックのフレディに憑依振りが最高。
他のメンバーもよく集めたなと思える程のクオリティで終始没入出来た。
70〜80年代当時のファッションの再現度がとても凝っていて素晴らしい。
美術セットもライブステージやフレディ宅、レコーディングスタジオ等多岐にわたり雰囲気を盛り上げるのに一躍買っている。中には本物のギターや音源テープを使用して本物度が半端ない。
メイキングを見て驚いたが後半のライブエイドのシーンが撮影初日という無茶な事をスタッフはやってのけたのだという事が監督降板でも何とか完成までやり遂げたチームワークがクイーンというバンドと重なってよりエモーショナルな作品へと昇華したのだと思う。
キャッチーな曲と個性豊かなメンバーと相まって今もなおファンを増やし続けているモンスターバンドの生き様を描いた傑作。
是非大画面で大音量で楽しんで欲しい。