「家族そろってバラバラ……か」
圧倒されました。
描かれてることの陰惨さ、残酷さ、テーマの重さ、現代性的に、この言葉を不謹慎だと捉える方がいるかもしれませんが、
マジで面白い映画です。
原作未読です。
本当に原田監督らしい高速セリフ合戦や、原田遊人さんの独特な編集テンポ、
木村拓哉さん演じる最上の放つダークな雰囲気や、二宮和也さん演じる沖野の誠実さの中の狂気、怒り
それらが見たこともない化学反応を起こしたかのような、強烈な一作でした。
とくに中盤の見せ場である沖野の取り調べシーンはハンパじゃない……。
沖野が爆発する直前の、松倉の自白内容の気持ち悪さ、酷さが、劇中の吉高由里子さん演じる橘さん同様 吐き気すら覚えるもので、
だからこそ沖野の感情の爆発っぷりにはカタルシスも感じるんですが、
だんだんとそれを超えてくる怖さもあって、
映画を観ながらガタガタ震えたのは初めてですよ。
「じゃあ その辺で首吊って 逝ってくれんのか?」って……こえぇ〜よ!!!!
あと怖い!で言ったら、ある人物の葬儀のシーンの、あの風習(?)が普通にめちゃくちゃ怖かったです。
以前、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」で宇多丸さんが木村さんに行ったインタビューを聴いていたので、木村さんの演技論等を意識しながら観ていたのですが、途中からそんなこと忘れるくらい引き込まれました。
もう森のシーンは………。
いや…強烈ですよ。
後半はどんどんコッチの予想を越える…というよりはズレてく展開となっていくし、その独特な編集テンポが、観てる側の生理的なリズムを壊してくので、とにかく衝撃の連続でした。
また、厭な人の描き方が本当に最低です(褒めてます)
木村さん演じる最上の"上司にしたくない人"感がやばい。
最初は良い人なんだろうな〜って思ってましたけどね。もう嫌いですよ。
二宮さん演じる沖野も、後々反省はするものの、時折感情任せにキツいこと言いますし……。
なにより松倉ですよね。
なんですか あの気味の悪さ。腹立つ感じ。
あ、これ褒めてますからね。
冤罪事件だけでなく、パワハラもそうですし、とにかく今ニュースで見る、いろんな世の中の動き、流れの様々な部分を観た気がします。
今作られ、今観られるべき映画であることは間違いないですし、
そういうこと抜きに、
"木村拓哉、二宮和也 共演!"
というスター映画としても絶品です。
あぁあー!もう一回観たい!