きゅうげん

ミスター・ガラスのきゅうげんのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
3.3
2001年『アンブレイカブル』
2017年『スプリット』
そして本作『ミスター・ガラス』
足かけ20年近くに及んだ3部作です。

“群れ”の次なる犯行と、ダン親子やケイシーなどの現況を説明する序盤から、“監視人”vsビーストの待望のマッチは上映開始30分内で実現!
……だけどその後がかなり冗長。
ヒーローとヴィランが同居するシチュエーションなのに緊張感が皆無だし、どんでん返しに注力するあまり、物語の核となる精神病棟や精神科医の存在感が宙ぶらりんに。ミスター・ガラスの謀略が動き出すまで、実質的にストーリーはストップしてます。
登場人物も舞台も絞るなら、展開そのものも切り詰めるべき。1時間半くらいならちょうどいい規模かも。

それとシャマランは、アクションシーンの捌き方があんま上手じゃないですね。
病院の前庭でのクライマックス、見守り要員の家族たちを持て余してますし、戦闘自体も場当たり的なのに段取り臭く、全体として空気感が弛緩してます。
没案のオープニング・クレジットとか、ビーストが他の患者の信頼を勝ち取る様子とか、カットされたシーンのほうがアイコニックでしたね。
かな〜り竜頭蛇尾な最終作でした。


ちなみに毎度お馴染みシャマラン監督のカメオ出演ですが、シャマラン・バースが繋がったため「フーターズ大好きアパート管理人」の若かりし頃が「大学競技場で麻薬密売に関わってた青年」と、同一人物であることが分かるなんて……!
この3部作でいちばん腑に落ちたところかもしれないです。