tetsu0615

ミスター・ガラスのtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

非常に意欲的で面白い"ヒーロー映画"でした!

「アンブレイカブル」「スプリット」の続編にして、この二つの物語の完結編となっている。
ブルースウィリス、サミュエルLジャクソン、ジェームズマカヴォイと言う共演だけでもテンションが上がる人はあがるだろう。

さらに、「アンブレイカブル」から、デヴィッドの息子(役者さん同じなのね!すごい!)、イライジャの母、「スプリット」からはケイシーが登場し、この2つの作品の繋がりをはっきりとさせてくれる。

アンブレイカブルの物語から十何年経過しているという話なので家族とかどうするのかと思っていたら、しっかり描かれていて、この物語世界でちゃんと生きていたというあたりがちゃんとしてて良い。
デヴィッドも自警活動を続け、自分の店を持ち、息子も協力しているというのもステキな関係だ。

で、物語はデヴィッドがケヴィンの行方を追って、対峙したときに彼らは捕まってしまう。病院に拘束された彼らに女性精神科医は告げる「あなた方は妄想しているだけ、ヒーローなど存在しないのだと…」

ここからネタバレ多めです。

彼女の話を聴くうちに彼らは自らの存在は普通の存在なのではと思い始めるが、そこで動きだすのはミスターガラス…

デヴィッドとケヴィンのバトルシーンもあったり、彼らの身体能力を活かしたシークエンスもあったりと面白いし、列車事故がケヴィンとも繋がる(後付けなのだろうが)というのも面白い展開だった。

で、ラストに明かされるのは、女性医師の正体
彼女達は特殊な能力を持つ人間達を封じ込めるまたは始末する組織のメンバーであり、そのために彼らに接触してきたのだということ
そして彼らは…
と思いきや、ミスターガラスの最後の策がすべてを変えていく…
ここで見ている我々は気づく、何故タイトルが「GLASS」だったのかと。彼こそが真の主人公だったのだと…

しかし、彼女(達)の目的は分かるが、なんで彼らをまとめて相手しようとしたかの疑問は残る。
まとめて相手取ってしまおうとしたのかもしれないが、彼らを接触させることの方が厄介に思える。(今まで彼らが様々な存在を相手にしたなら尚更だ)

さらに、警備のスカスカ感笑。
彼らを脅威に思っていたのなら、もう少しなんとかすべきだっただろう。

このようなツッコミ処もあったり、中盤の物語の展開の遅さみたいなのもあるのでその辺はご愛嬌で

アンブレイカブルで描かれた「現実に特殊な能力を持った人間がいたら」「ヒーローとヴィラン」みたいなテーマをさらに昇華させ、「現実にヒーローという存在いるのかもしれない」「自分の能力や特殊性を世間に無理やり当てはめる必要なんてない」というシャマランなりのヒーローという存在への肯定であり、讃美歌とも言えるラストは素晴らしいのでは?

あと、アーニャテイラージョイの美しさに改めて惚れました

追記
お馴染みシャマラン監督のカメオ出演はアンブレイカブルと同じ役?という感じでファンにはたまらない作り
特別な個性を持つ彼らを妄想と決めつけ、自分達の型にはめようとする姿、脅威になる存在を排除する姿はシャマラン監督なりのマイノリティを排そうとする世の中への批判なのかなと思ったり
tetsu0615

tetsu0615